ストレイト・ストーリー 村上龍

the straight story ストレイト・ストーリー

the straight story ストレイト・ストーリー

絵本?村上龍が?と思って手に取ったこの本。絵本・・でもない。小説・・でもない。じゃあなんじゃいと言うとよくわからない。俵万智の短歌を始めて読んだ人が、それまで知識にあった、短歌は古典的だという考えとの違いの為、彼女の短歌を「短歌」とするのか疑問に思ったような(もちろん立派に短歌であるのでしょうが)。その理由は、この疑問に思われる作品をダイレクトにその情景が頭の中に飛び込んでくる映画的、現代的なものに感じたからではないでしょうか。小説、短歌というよりは親しみやすくわかりやすい。つまり何が言いたいんだっちゅーとですね、この一冊で映画館に行けるのです。ホント。自分の汚い部屋にいたって会社にいたって便所にいたって、この本を読めば映画館の中、薄暗い席に座って大画面に流れる広大なアメリカの光景を楽しめるのです。2作に共通して言えるのは、両者とも文学というものを超えた更に次の次元の能力を持っていたということです。絵本や小説にはない言葉と絵による映像の美しさ、是非お試しを。
ここまで書いて気がついたのですが、確かこの作品映画にありましたね。あちゃー。でも想像は映像に勝るハズです。きっと。