ラブ&ポップ 村上龍

ラブ&ポップ―トパーズ〈2〉

ラブ&ポップ―トパーズ〈2〉

初の村上龍体験から1週間、(限りなく透明に近いブルーにて、後日書きますが、その後はショックで本を読む気が失せ他の村上作品も挑戦しようとは思えませんでした)勇気を出して、というか吸い寄せられるようにこの本を手に取りました。また痛い目に遭うかもしれないとかいろいろ考えたのですがふと手にとってしまったのです。
これが当たりでした。というか限りなく〜を読んだときにも感じていたはず、だったけれど不鮮明であった村上龍の思いが、一気に鮮明に入ってきたというカンジです。読み終えた瞬間なんでだか涙が止まりませんでした。
援助交際だとか斬新な描写だとかはただの題材や表現方法に過ぎないのです。この作品の中に出てくる人たちの孤独の悲しさがひどく私の心を打ち、同時に自分の孤独も見透かされているような気分になりました。
でも、村上龍は決して孤独や虚しさを表現することのみに一貫しているのではなく、だけど、それでも、と人と必死に交わりたいと願う人々を描いています。私たちを悲しませるのが目的なのではなく、うまく言葉では言い表せないけれど、、それでもいいんだよ、といわれてるように、突き放すような描写の後なにかあたたかいものを感じられたのです。
そしてこれは限りなく〜や、それだけでなく他の村上作品にも感じられるものでした。
とりあえず私の例もありますし、限りなく〜の後の処方箋はこの作品がオススメです。