インストール 綿矢りさ

インストール

インストール

今は文学界の有名児となった彼女、綿矢りさシリーズで。その処女作は良くも悪くも最新作の方よりも「彼女」色が濃いものとなっています。最初コレを読んだときは(面白いし、好きだけどあまり受け入れられないんじゃないかな)という感想だったのですが、しっかり受け入れられているみたいですね。ビックリ。
色が濃い、といったのはそのまま。彼女がどんな思いで、どんなことを伝えたくて、どんなものを描きたかったのかというものがそのまんま作中に流れ込んでいます。彼女は実際にそういう体験をしたのか、それかよほどの洞察力の持ち主であると思います。少女の葛藤やらなにやらは知っている人には痛みにさえなるでしょう。その設定や進行は奇抜といえば奇抜かもしれませんが、実に自然にそうしている主人公と少年の姿が面白いです。そういえば、上戸彩主演の映画はどうだったのかな。