すべてがFになる 森博嗣

すべてがFになる (講談社ノベルス)

すべてがFになる (講談社ノベルス)

あっついです。本当。頭おかしくなりそうですね!まあ私の場合生まれたときからですが!(イタタ)こんな蒸し暑いときにはミステリーでも読んで、冷静な頭を取り戻してみるのもいいかもしれません。というわけで、これを。
まず、買った動機はこの印象的なタイトル。ぽん、とその場に無造作に置いてあるようで、それでいてひとつひとつの言葉がもうそれしか有り得ないとさえ感じられるほど、ぴったりとはまっている。整然として、完璧な数列のような美しさ。まさにこのセンスはこの小説や、彼の描く「理系」ミステリーをそのまま表しているといえるでしょう。
内容は、トリック、ストーリーどこをとっても他の推理物とは一線を画しています。どこでも書かれていますが、まず余計な殺人の動機の描写などがない。そして、主人公である犀川教授は、ミステリーに必要不可欠な「探偵役」なのに、推理をすることを嫌がっている、と一風変わった雰囲気なのです。しかし読んだら最後、この妙なミステリーは難解な数式をといてゆく快楽のように(私は体験したことありませんが)読者をつかんで離しません。あとは世に言う「キャラ萌え」なるものもこの作家の楽しみとされているようです。確かに、犀川教授魅力的です。