タラチネ 南Q太

タラチネ―Including 10 stories (フィールコミックスGOLD)

タラチネ―Including 10 stories (フィールコミックスGOLD)

南Q太の短編集です。
連載もスキだけれど、こういうのを読むとあらためて南Q太の才能を感じます。
才能、というのは「人間の心を冷静に描く」才能です。
読んでいるとあまりにもリアルに描かれている部分があったりしてちょっと傷をえぐられるような気分になりながらも主人公たちから目が離せなくなります。
たまーにスキじゃないけどやっちゃっただとか女に暴力ふるうようなヤツだとか最低な人がでてきてもさらりと流しちゃうのは、南Q太がだってそういうひといるでしょ、ってさらっと言っちゃっているからのような気がしてなりません。
ちなみに、最後のほうには作者のエッセイっぽいテイストのものがあります。
にしても他人の心を冷静に描くだけではなく、自分の心までをもこう描かれてしまうと、まいったとしか言えなくなります。まいった。